「ねえねえ!シャル!あたしと団長どっちか好き?」

目をぱちくりとさして聞いてくる彼女はまるで子供だ。
今更聞くことでもない。
それに俺はソッチに興味なしだ。

「そりゃ、だね」

返答した途端、目をより一層大きくして彼女は喜んだ。
直接的に好きだなんて言っていないのに、彼女はこんなにも喜んでくれる。
自分の気持ちをダイレクトに伝えたら、死んじゃうんじゃないかな?
本当に死んじゃったら悲しいから、意識がなくなる寸前までキスでもしちゃおうか。

「そっか、あのね!」

今度は身を乗り出して話を繰り出してきた彼女。
次はどんな話だろう、と聞いていると彼女の笑顔がピタリと止まった。
男の勘だった、これは、来る、って。

「あたしのことどれくらい好き?」

俺の勘は少し違ってた(告白かと思った)けど、恥ずかしがり屋の彼女のことだから、許すことにしよう。
それよりも、団員が集まりつつあるこのアジトで、よくこんなことが聞けるなあと思う。
団長の目の前で答える俺も俺かな。

あ、そろそろ全員集合だ。
その前にさっきの返事しないと!


「どれくらい好きだとか通り越して愛してるよ」








(何あれ)
(おい、目を合わせるな)




2008/6/3→2008/10/15