[生活]




-Gintoki-



「ぎ、んちゃ・・・」

午前4時45分
隣で寝言を発したのは俺の愛しい人。
そんな彼女に今日も呟く。

「愛してる」

彼女が起きていたら言えそうにないこの台詞。
寝ているからこそ、言える台詞。
いつか意識のあるうちに言ってやる、いつもそう思いながら言えないでいる俺。

「愛してる、。」

今日も最愛の人の寝顔を見ながら言う。

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-Toushirou-



「好きって言ってよ。」

こいつは今日もこう言った。
悲しそうに、もどかしそうに。
けど俺はその言葉に対して、返事をしない。
何故かって、そりゃ好きだという気持ちは持ち合わせていないから。
って、黙って煙草を吸っているうちに、女が泣き出した。
めんどくせーとか思いながら、こう言った俺はただの男か。

「好きじゃねぇよ、愛してる」

この気持ちは愛以外のなんでもない。

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-Sougo-



「おはよ、総悟」

目が覚めると隣には彼女がいた。
ぼうっと昨日のことを思い出し、布団の中で彼女を抱きしめた。
キスをしようとすると、彼女は一言で現実へと引き戻した。

「総悟、夏休みの宿題やってる?」

焦りながら両手で俺の胸板を押す彼女。
ちっと舌打ちをした後、こう言ってやった。

「んなもん、お前にやらせまさァ。」

彼女の心臓の音が聞こえた。

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-Shinsuke-



ある日、猫が来た。
今そいつは女の腕の中に居る。

「お前にしか懐かねぇのか?」

ふと言うと、女はにこっと笑って俺を見た。
何が可笑しいんだ、と聞くと女はこう言った。

「だって、晋助みたいじゃない」

あたしにだけ懐いてくれる、と猫を撫でながら。

「そら、ちげぇな」

お前が俺に懐いてんだ、ふっと笑いながら言うと猫が女の腕から離れた。
俺は女を抱きしめる。

「あたしは猫より天邪鬼よ」

女がミャーと鳴いた気がした。

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-Kotarou-



「ヅラァ、髪切ってよ。あたしより長いじゃん」

今時の女のように彼女は言う。
どうやら、自分より髪が長い俺に腹を立てているらしい。

「ヅラじゃない、桂だ、」

いつもの返答をすると、「はいはい」と諦めるようにして彼女は言った。

「それに今のままで充分だ。あ、シャンプー変えただろう?」

彼女の髪に俺の指を絡ませると、知らない香りがした。
ハっと我に返った彼女は見る見るうちに赤くなる。

「今のシャンプーの方が好きだ」

指を通した髪は愛の色へと変わっていく。

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-Isao-



「ねえ、ゴリラ。お茶買ってきて、冷たいやつ」

「・・・は!?なんで!?」

「喉渇いたから」

いきなりパシリにされ、猛ダッシュで茶を買いに行った。
しかしその茶は、口に合わなかったらしく、もう一度買わされる羽目となった。
それでもその茶が口に合わなかったらしく、こいつはギロリと俺を睨みつけた。

「すまないが、自分で買ってきてくれ。俺はお妙さんと・・・」

俺が最後まで言う前に、こいつは泣きながら口に合わない茶を飲んだ。
そんなに不味いのォ!?とつっこむと、またギロリと睨みこう言った。

「早く行って、。遅れたらお妙さんにぶたれるっしょ」

その声は確かに女の声だった。






20070821(20070916)