チャリンコが重い
なんで学校の前に坂道があるんだろう
う、やば、チャリンコ酔いしそ、!


坂道は青春


蝉の鳴く声が殆ど聞こえなくなって、たまに肌寒く感じ出す頃、2学期が始まった(昨日の夜には鈴虫が鳴いてたっけ)
ぞろぞろと生徒たちが校門をくぐってく
その足取りは重くもなく、軽くもなく、人によっては変わる感じ
まあ、実際は校門の目の前の急な坂が原因で、殆どの人がだるそうだ
だけど、あちらこちらでいろんな挨拶が飛び交う
久しぶりだの、日焼けしただの(定番ばっかですかコノヤロー)
私はまだ眠いし、荷物も重いから誰にも捕まらないように早々とチャリンコを置
いて下駄箱まで向かった

「おい」
下駄箱まで誰にも捕まらなかった私が、とうとう捕まってしまった
しかも運悪く、こいつに
私は靴を履き変えて声のした方へ向き返る
予想した通り、こいつだ、目付きが悪くて口も悪い、いかにも不良君な、こいつ
やなやつに捕まった、と溜息をついたら「んだよ」って言われた
こっちがなんだよ!なんて言い返す事は無理に等しいから、「なんでもないでっす」って適当に遇った
「てか、なに?」
なんで私を呼び止めたんだよって、やっぱり強気に言えないから、軽く尋ねた
すると不良君はフンって鼻で笑って言った
「いまどき苺パンツって、色気ねぇなぁ、

…ん?何の事を言われているのかさっぱりわかんない
そんなオーラを、不良君は感じ取ったのか呆れた顔してまた少し笑った(なにこいつ)
めんどくささが増した私は、それだけならもう教室行くよって、その場を去ろうとした
ふと廊下に掲げてある時計に目をやると、もうじきチャイムが鳴ることに気がついた
そういえば、周りの生徒たちが忙しそうにしている
急ごうと、その場から足を一歩踏み出した時だった

「立ち漕ぎでパンツまる見えだっつの」

後ろにいた不良君はそういいながら、私のスカートをめくった
妙にスカスカする感覚が1、2秒続いた
生徒たちはもう殆どいない
少し静かになった下駄箱で、不良君は笑いを堪えるようにして

「あ、さくらんぼか」

って言って歩いて行った


呆気に取られて固まっていると、チャイムが鳴った
やっと我に帰った私は、走って教室まで向かう
その間、恥ずかしさと惨めさが私を苦しめた


ガッと教室の扉を開くと、皆の視線が私に集まった
次第に、堪えながら笑い出したドS王子や不良君
なんだろうと思いながらも私は席についた
そして既に来ていた銀八がとんでもない事を言った

「はい、そこの二人、さくらんぼパンツのが来ても笑わないってみんなで約束したばっかだろーが、堪えなさーい」

「は!何言ってるんですか、せん、!」
はっと気がつきゆっくりと不良君に目を向ける

まただ、へらっと笑われた
「たたたたたかすぎー!」

そんなあいつに飛び掛かった時、後ろから声がした、気がした

「あ、本当にさくらんぼですねィ」




(なんなの、なんなの!)




20070809